「ロコモ」予防のために大切なことは、加齢や運動不足で衰えがちな筋肉をケアすることです。実は姿勢と筋肉には密接な関係があり、良い姿勢を保つために筋肉をケアすることが、「ロコモ」予防にもつながるのです。
中村 格子 先生
プロフィール
整形外科医・医学博士
Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長
横浜市立大学整形外科客員教授
正しい姿勢を保つために使われている筋肉のことです。また、地球の重力に抵抗してカラダを支えている筋肉でもありますので、抗重力筋などと呼ばれることもあります。姿勢筋の中でも、加齢によって特に落ちやすいものに、脊柱起立筋、腸腰筋、大腿四頭筋などがあげられます。これらの筋肉は、肩甲骨と股関節の周辺に位置する筋肉であり、この二大関節が大きく動き、その可動域を維持することが、美しい姿勢の維持につながります。肩甲骨と股関節を意識し、常に「美姿勢」をキープすることで、これらの筋肉を自然と使うため、筋力の維持につなげることができます(図1)。
両足をこぶし1個分ほど開いて壁を背にして立ち、かかと、お尻、肩、頭を壁につけたら、腰のアーチに手を入れてみる。
姿勢が悪いヒトは上半身が歪みがちです。基礎編では、上半身を左右・上下均等に使う動きを摂り入れていきます。また、8つのエクササイズは、その順番もポイントのひとつ。まずは前半の3つのエクササイズで上半身の歪みを取ってから、後半5つのエクササイズで下半身を鍛えていきます。
一日にすべてのエクササイズを行うのが難しければ、上半身と下半身を別の日に行ってもOKです。
基礎編で、部分的な筋肉動作がスムーズにできるようになったら、体幹を鍛えるトレーニングを行いましょう。美しい姿勢や所作を保つために、全身を使った体幹トレーニングを行うことで、体の機能を高めていきます。
「ロコモ」予防のためのエクササイズは、毎日続けることが大切です。無理をしないで、できる範囲で続けていくことで少しずつ姿勢も良くなっていきます。あなたもぜひ、「美姿勢」をキープして健やかな毎日をお送りくださいね。