悩み 睡眠 最近、しっかり眠れていますか? より良い睡眠のために「睡眠の質」を高めましょう

  • こんな症状ありませんか?
  • 日本人の睡眠時間は減少傾向に!睡眠不満度も高い!
  • 睡眠のメカニズム
  • 不眠の原因とは?
  • 睡眠に問題があるヒトの睡眠パターンと実感
  • より良い睡眠を得るために!

こんな症状ありませんか?

あなたの「睡眠の質」をチェックしましょう

日本人の睡眠時間は減少傾向に! 睡眠不満度も高い!

日本人の睡眠時間は減少傾向に!
特に40 代・50 代の減少が顕著

 NHKの国民生活時間調査(※)によると、近年日本人の睡眠時間は減少傾向にあり、働き盛りの40代、50代では男女共に平日の睡眠時間が6時間台にまで減っています。

(※) NHK 放送文化研究所「2010 年 国民生活時間調査報告書」(2011 年2 月23 日)

世界の都市と比べ、睡眠時間が最も短い東京!
理想とのギャップも最大!

 東京、ニューヨーク、上海、パリ、ストックホルムに住む人を対象に、味の素㈱が行った世界5都市睡眠意識調査(※)によると、東京の平日の睡眠時間は唯一6時間を切る、5時間59分! これは5都市の中で最も短く、最も長く眠っている上海の7時間28分に比べて、1時間半も睡眠時間が少ないという結果です。  理想の睡眠時間と実際の睡眠時間の差が一番大きいのも東京で、1時間22分も差があります。(図1)

図1 世界5都市、平日の睡眠時間と、理想の睡眠時間

 また、東京では2人に1人が睡眠に不満を感じており、「もっと良い睡眠をとりたいのにとれていない・・・」といった状況がうかがえます。(図2)

図2 東京の睡眠の満足度

睡眠のメカニズム

 体内リズム(体内時計)が夜になり、睡眠圧(睡眠の必要性)が高まると、眠りが誘発されます。
健康なヒトの睡眠には一定のパターンがあり、眠りにつくとノンレム睡眠(※)が現れ、そのあとレム睡眠(※※)へと移ります。この睡眠サイクルが約90分の周期で、一晩あたり3~5回繰り返されます。この睡眠のパターン(図3)は「睡眠の質」をはかるバロメーターになります。

(※) ノンレム睡眠

 眠りにつくとすぐ現れる睡眠で、その眠りの深さに応じて4つのステージに分けられます。最も深いステージ3、4の睡眠は、脳波の波形から徐波睡眠と呼ばれ、一晩の睡眠の前半に多く出現します。この睡眠こそが「睡眠の質」つまり良い睡眠の決め手になると言われています。徐波睡眠には、脳をしっかりと休ませる働きがあり、成長ホルモンを分泌して疲労復やカラダ(肌)の細胞の修復を行っています。

(※※) レム睡眠

 ノンレム睡眠に続いて現れるレム睡眠では、カラダは動きませんが脳は昼間に似た活動をしており、記憶の強化、成長期の脳の発達に重要です。早朝に長いレム睡眠が出現し、夢を見るのもこのときです。レム睡眠は目覚めの準備も担っており、レム睡眠が終わるころに目覚めると1日の活動をスムーズに始めることができます。

図3 健康なヒトの睡眠パターン(質の良い睡眠)

不眠の原因とは?

 現代人の睡眠の満足度が低いことは前述の調査結果が示す通りですが、その要因として加齢、ストレス、生活リズムの乱れ、睡眠圧の低下などがあげられます。これらの要因が、不眠を引き起こすのです。

加齢

 年齢を重ねるにつれ、一般に睡眠の質は低下します。加齢に伴い睡眠時間は短くなり、深い眠りであるノンレム睡眠の徐波睡眠量も徐々に減少します。

ストレス

 ストレスや不安は覚醒度を上げ、不眠の原因になります。不眠状態が続くと健康リスクも高まります。近年の研究では、不眠症の人は物事をネガティブに感じやすく、その対処もうまくできない傾向にあるとのこと。不眠はストレスによって引き起こされると同時に、ストレスの発生原因にもなっています。

生活リズムの乱れ

 現代は社会環境の変化により、昼夜を問わない生活が当たり前になっています。パソコンやスマートフォンなどの液晶画面から発せられるブルーライト(強いエネルギーを持つ光)も睡眠に影響を及ぼすとして問題となっています。しかし体内時計の働きはこのようなライフスタイルの急激な変化になかなか追いつきません。生活リズムと体内リズムの不一致は睡眠障害をもたらし、免疫力や思考力の低下、肥満やうつ状態なども引き起こします。

睡眠圧の低下

 日中の覚醒度を上げて活発に過ごさないと、睡眠圧(睡眠の必要性)が高まらず、夜になっても眠れないという入眠困難に陥ります。翌日は強い眠気のため,必要以上の昼寝をしてしまい、その夜の睡眠圧が高まらず,これが繰り返されて、睡眠の悪循環を作ってしまうことがあります。

睡眠に問題があるヒトの睡眠パターンと実感

図4 不眠症には4 つのタイプがある

1. 入眠困難 床に就いてからなかなか眠りに入れないタイプ
2. 中途覚醒 朝起きるまでに何度も目が覚めてしまうタイプ
3. 早朝覚醒 朝早く目覚めてしまい再び眠ることができないタイプ
4. 熟眠障害 十分な睡眠時間をとっているのに眠りが浅く、熟眠感が得られないタイプ

より良い睡眠を得るために!

睡眠の「量」だけではなく、「質」が重要!

 不眠を解消し睡眠の満足度をあげるにはどうすればよいでしょうか。
 解決策のカギは睡眠の「質」にあります。睡眠時間の長さではなく、質の良い睡眠、つまりノンレム睡眠の中でも徐波睡眠が得られるかどうかということが重要です。徐波睡眠がとれると、おのずと睡眠リズムが整うため、熟眠感や爽快な目覚めを手に入れることができるようになるのです。質の良い睡眠を得るための解決策は次の2 つです。

解決策 その1
就寝時、すみやかに深部体温を下げて「質の良い睡眠」を

ヒトの睡眠リズムと深部体温(カラダの中心部分の温度)には深い関係があります。就寝時に深部体温が下がると眠りに入りやすくなります。例えば赤ちゃんの手足が眠る前に温かくなることはよく知られていますが、これは赤ちゃんが眠る前に、手足から熱を放出して深部体温を下げているからです。

解決策 その2
生活強度を上げて、睡眠圧を高める

日中活発に活動する(このことを生活強度を上げる、ということがあります)と、夜には睡眠圧(睡眠の必要性)が高まり、眠りに入りやすくなります。このように、体内リズムを整えて、睡眠の必要性を高めることで、睡眠の好循環が生まれます。