睡眠に問題を抱えているヒトに対してアミノ酸“グリシン”を摂取してもらったところ、対照食(プラセボ)を摂取した時に比べ寝つきが良くなり、ノンレム睡眠の中でも質の良い睡眠のカギとなる徐波睡眠にすみやかに到達し、徐波睡眠の時間も増えていることが分かりました。また、徐波睡眠がとれることでリズムが整い、夜中に目を覚ましてしまう中途覚醒や、早朝に起きてしまう早朝覚醒が減り睡眠のリズムが安定し、熟眠感が得られることが明らかになりました。
(図1)(図2)
ヒトの睡眠リズムと深部体温(カラダの中心部分の温度)には深い関係があります。寝ている時の深部体温は起きている時に比べて低く(図3)、また就寝時、深部体温が下がりつつあるときに眠りに入ると、良い睡眠がとれることが知られています。赤ちゃんの手足が眠る前に温かくなることはよく知られていますが、これは、手足から熱を放出することで深部体温を下げているからです。
就寝前に“グリシン”を飲むと、末梢(まっしょう) 血流量が増加し手足からの熱放散が促進され、深部体温の低下を促すことが、味の素㈱の研究により明らかになりました。(図4)
就寝前にアミノ酸“グリシン”を摂取することで起床時の疲労感が改善し、気分が改善されることが確認されました。(図5)(図6)
睡眠に不満を感じていないヒトに睡眠不足の状態をつくり、就寝時に“グリシン”と対照食を摂取すると、“グリシン”を摂取した人は日中の疲労感や眠気が減り、作業効率がアップしました。
日中の活動が活発になると、夜には睡眠圧(睡眠の必要性)が高まるため眠りに入りやすくなり、睡眠の好循環が生まれると考えられます。(図7)(図8)
スリープマネージメント(睡眠を中心とする生活習慣の改善と、睡眠環境の改善を取り入れた睡眠改善法)と、アミノ酸“グリシン”の摂取を組み合わせて集中力や意欲、ストレスなどへの影響を検討したところ、集中力や意欲がアップし、ストレスが軽減されるという結果を得ました。
(図9)(図10)(図11)
※スリープマネージメントは良い睡眠がとれるように生活習慣と睡眠環境を改善する方法。生活習慣の改善法、睡眠の自己調節法などの教育を行い、実践をしていただくこと。
“グリシン”を摂取することで日中と睡眠の好循環が生まれ、日常生活をよりいきいきと過ごすことができるようになるのです。(図12)